明日、阿蘇のサステナブル・ブランド国際会議で講演するという夫に昨日は付き合った。
タイトルは「COVID-19ポストコロナ時代のツーリズム」。
1時間30分とか1時間の講演なら話しやすいけれど、持ち時間がわずか30分しかないらしい。リアルな場に400名、さらにオンライン参加もあるそうなのでかなりの規模の会議だという。
で、「君は、ポストコロナの旅はどうなると思っている?」と質問されて、思った。
・・・まだ、Go toトラベルで翻弄されている旅行業界なだけに、あまり考えたことはなかった・・・
変わらず、桜、紅葉、海、カニは人気で、飛行機やJRのパッケージ商品は売れていた。旅は少しずつ変化しているようでいて、実のところこの10年くらい、変わり映えしていなかったんじゃないか、と思う。
わたしがフリーライターになったばかりの2006年、「カラダの中からキレイになる宿」という本を企画した。
食や自然、運動、湯治など健康づくりに力を入れている宿を取り上げたが、まだ早かったのか、該当する宿も少なかったし、本自体も売れなかったらしい。
当時は「ヘルスツーリズムなんていうものは金にならない」と思っていた宿が多いようだったし、その後もそんなに進展はなかった。
少しずつ変わってきたことがコロナで一気にクルリと変わりそうな気がする。以下、今感じていることを挙げてみよう。
- 大きく変わったのはこれ。
「移動がダメ」になってしまったこと。より遠く、より知らない場所を求めて外へ外へと向かっていた旅は終焉を迎えてしまうかもしれない。気分的にも内向き志向になっている。車で2〜3時間で行ける旅が主流になってくるかもしれない。 - 「旅は富裕層のものになる」多くの人が経済的にも先の見えない不安のなかにいることを考えれば、自ずと財布の紐がしまってくる。全てがなくなるわけではないが、今後、積極的な動きをみせるのは富裕層が中心になっていくかもしれない。
- 「心身再生の旅」旅の原点は湯治と信仰だった時代への原点回帰。コロナによって以前よりももっとストレスフルな社会になっている。
自然や癒やしを求める傾向はより顕著に。伊勢神宮、出雲大社はじめとする聖地巡礼など。 - 「人とつながりたい」欲求。人との交流を生む旅の形。グループ化、仲間づくり、友達づくりできる旅とは?
- 「健康でありたい」欲求。ヘルスツーリズムの進展。
- 「宿の多様性」が進展。各地に素泊まり宿が増えた。インバウンドをターゲットにしていたゲストハウスも部屋が空いている。さまざまなカテゴリーの宿の中で本当にいいものだけが残る。
- 「ロングステイ」テレワークの拡大とともに長期滞在する人がふえる。移住も視野に入れたロングステイ。