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【取材こぼれ話】蔵王温泉のあだな

今年8月に蔵王温泉に取材に行った時に、「蔵王の宿の人たちにはあだ名がある」と聞いた。「誰がつけたか分からないけれど、親和会で代々継がれているんだよ」と。

見せてもらった一覧表には家印と家名、家号、ニックネームなどが記されている。

ニックネームの欄には「三日月」とか「赤猫」とか「せわやき」とかいろいろ書かれている。

わかまつやさんの先祖は「たたきごんぼ」。たたきごぼうが好きだったから。

後日電話で取材させてもらった蔵王温泉の長老によると、明治の頃の含英学校の先生が子供たちにつけたニックネームで、「親和会」は町の自治組織とのこと。「含英学校」というものも初めて聞いたし、ネット検索でも出てこないので記述も怪しいのだが、この方にお聞きした漢字の綴りは「含英」とのこと。子供たちに寺子屋のように勉強を教える学校ということだ。

新左衛門の湯の家は、「甕鳴し(ならす?し?) 新左衛門」。大甕で酒をつくっていた造り酒屋だったから。

柏屋は「高田(たかた) 三右衛門」(一覧表では「高ぽ」と見える)。「一番高いところにあったから」だそうである。

歴史ある温泉地には面白い話がいろいろ残っているものですね。