5月8日付のNIKKEIプラス1「湯の心旅」は南紀白浜温泉。テーマはワーケーション。
コロナ禍になる前から、ワーケーションに早々に取り組んできた白浜町。JAL✖️三菱地所の取り組み事例などを講演で聞いたことあったので、そのあたりを取材したいな〜と。
だけどね、企業の取り組みってクローズドなので、一般客には関係ないのよね。
それに、白浜町に聞いたところ、「三菱地所は、白浜町第2ITビジネスオフィスという白浜町のオフィスを契約して1室借りている企業。一般の人が使えるわけじゃない」っていうのよ。しかも、平草原公園っていう、駅からも遠いところ。オフィスの1階にコワーキングスペースはあるようだけど、同じく一般の人は使えない。
白浜のすごいところは、民間ホテルの方だった!わけ。
そんな話を書いてみましたが、取材先を詰め込んだせいで、全くもって紙面が足りず。新聞に書かなかったことを備忘録的に記しておこうと思う。
まずは、ホテルシーモア。2018年3月にリニューアルしてシティホテル並みにおしゃれになっている。かつてはゴーカートや観覧車、ボーリング場まであったTHE昭和のテーマパークのようなホテル。
ワーケーションのためのビジネスルームが1階にあるんだけど、ビジネスルームじゃなくても海を望むロビーや海へと続くインフィニティな足湯で仕事OK。地元の人も憩いの場的に利用できて、雨の日には地元のママたちが子供を連れて遊ばせにやってくる。2階にある子供向けプレイルームにはボルダリングや卓球、エアホッケーまである。ロビーでは押花の個展をやってたり、地元のミュージシャンが演奏してたり賑やか。お茶飲まなくても利用できるワケ。太っ腹。
焼き立てパンをつくるベーカリーは朝7時のオープン前から地元客が並ぶほどの人気ぶり。
ロビーは無料開放、ビジネスルームも無料。かかるのはコピーする時の紙代くらい。大阪のビジネスマンがロビーで商談する姿も見られる。
支配人に聞いたところ、自分たちも出張に出た時に、出先にビジネスルームあるといいよなぁと思うことが多かったから、つくったらしい。
シーモアの玄関前には台湾の自転車ブランド、GIANTの直営店があってレンタサイクルできる。
隣にある保養所を改修したレジデンス(無人のためチェックインアウトはシーモアのフロント)は2019年の7月オープン。こちらもサイクリストを意識。室内に自転車を入れられるようになっている。セルフキッチン、共有リビングあり。コンクリートやむき出しの配管、アイアン家具などインダストリアルインテリアで若者が好みそうな内装。渋谷っぽいなぁ(ざっくり)と思っていたら、設計は大阪でなくて、東京の会社だそう。すでに企業との契約は2社(ユニリーバさんとか)で150日契約などをしているらしい。ホテルにとっても新しいビジネスチャンスですな。
もう一つ、これは新聞では名前すら触れられなかったけれど、ホテル白浜館という和の宿を2020年7月に素泊まりの宿(41室)に変えた。名前はローマ字に。カラオケクラブはコワーキングまでスペースに、10名定員のカラオケボックスはzoomもできるミーティングルームに。
ちなみに、シーモアの方はボーリング場を改装した和食レストランと寿司レストラン、レジデンスにラーメン屋がある。元白浜館の方は周辺に飲食店の多いエリア。レジデンスはセルフキッチンもあるから長期滞在しやすい。
シーモアは、家族で来たときに子供を預けられるAI教室や大人向けの日帰りツアーやワークショップなども用意しててなかなか微に入り細に穿つプログラムづくりをしている。
大阪に本社を持つ不動産屋が運営する2LDKのコンドミニアム型のホテルムーは、マンションを改修したゲストハウスで2019年のオープン。ホテルを運営するのは初だという。コンドミニアム13室(オーシャンビュー8室)と仕切りを設けてベッドを複数入れたドミトリーが4室。キッチン付きで長期滞在も可能。シェアキッチンには食器やフライパンがある。温泉大浴場もある。2020年冬にドミトリーの部屋を改修して仕事のできるワークルームをつくった。普通は廊下にWi-Fiのルーターがあるけど元マンションだから一つの客室にルーターが1つ、速度はかなり速いから、ホテルにありがちなクレームもきたことはないらしい。ワーケーションだと4〜5泊する人が多いんだって。
保養所の件数、おそらくは100軒以上あった施設が、平成12年には58軒、昨年は20軒(白浜町)と減っていて、それらがワーケーションできるような素泊まり宿などに転用されてる。