お仕事のご依頼・お問い合わせ

『旅の手帖』11月号〜萩の宿 常茂恵〜

『旅の手帖』11月号のテーマは、「秋のひとり旅」。
わたしは、連載「会いに行きたい温泉宿」にて、萩の宿常茂恵の女将、厚東啓子さんを取材しました。

萩の迎賓館として創業した宿には、時の総理の書が飾られています。こういう宿の女将さんって、一流の方々にお会いしているから、やっぱりキリリとして、こちらも襟を正さねばならぬ。と背筋を正してキンチョーモードで出かけていくと、、、とってもほんわかムードで、予想をいい意味で裏切ってくれました。

移住してきた社員が企画をあげヒットしている(維新の志士の好物を盛り込んだプラン)らしく、聞いてみた。
私:「企画会議のようなこととか、プランをあげてほしいとか、社員に言ってらっしゃるんですか?」

女将さん:「ううん〜ぜんぜん。強制されたら出るものも出ないでしょ? 勝手にもってきてくれるのよー」。

私:「宿の女将さんのお仕事って大変ですよね。朝から夜中まで働き詰めとか、そんな時代もありましたか?」

女将さん:「私はそこまで大変な仕事はしてないかも〜」

どこまでもほんわかモードで、かわいい女将さんでしたよ。きっと、ファンも多いんじゃないかな〜。

作家さんとの長年のつながりで、ここでしか買えない萩焼の器が美術館の展示のようにお土産コーナーに並んでいました。人気が出て、かつての金額からどんどん値上がりしているような、作家さん。宿はクリエイターの応援の場でもあるのですね。

*宿の味* スペインのマヨルカ島のエキストラ・バージン・オリーブオイル。朝食の温泉たまごと一緒に出てくるんですが、これが究極のオリーブオイル。
女将さんが気に入って宿に取り入れ、売店でも販売しています。

*家具* ジョージ・ナカシマの「コノイドチェア」。ジョージ・ナカシマさんのお名前、知っていますか? 20世紀を代表する、日系アメリカ人の家具デザイナーさんだそうです。ミッドセンチュリーを代表するデザイナーさんですね。4本脚ではなくて、2本脚。2本脚は安定感がなさそうですが、これがふしぎと転倒することなく、安定を保っているのです。見た目にもとても素敵なデザインです。現在、米国の工房と香川県・高松にある桜製作所の2カ所でしか、制作していないそうですよ。

*庭園* 枯山水の主庭・中庭をはじめとする、およそ1,000坪にも及ぶ日本庭園があって、心和むひとときを過ごせます。客室は二間続き、純和風の数寄屋造りで、どの客室からも日本庭園が眺められるのがとても素敵。各界の著名人が利用するワンランク上の宿です。